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2005年10月27日

野尻抱介さん(星雲賞受賞SF作家、アマチュア無線家)がPLCに反対を表明

平成17年1月から行われていた「高速電力線搬送通信(PLC)に関する研究会」において、先日、「高速電力線搬送通信と無線利用との共存条件案(PDF)」が取りまとめられた事を受けて、現在総務省が、「高速電力線搬送通信と無線利用との共存条件案に係る意見の募集」(所謂パブリックコメントの募集)を行っていますが(2005年11月21日まで)、星雲賞受賞作品「太陽の簒奪者」などの作品で知られるSF作家の野尻抱介さん(アマチュア無線家)が、PLCに対する反対をご自分のWebサイトで表明しています。

同サイトでは、

PLC(電灯線インターネット)に反対します。

 これは単なる趣味や学術研究にとどまらない、より深い意味を持つ社会問題と考えています。

 私たちは電磁波を通して自然界を観てきました。かすかな星の光。惑星や銀河の放つ電波のささやき――そして人為的な放送電波にも、気象や電離層、ひいては太陽活動のありさまが反映されています。

 PLCは、波長の長短を除外して考えれば、夜空から星を奪う光害と同じものです。光害やデジタルノイズの氾濫を許すのは、自然に対する感受性の鈍磨です。こうしたノイズが過去20年にどれほど空を汚したか、天文学者や無線家、BCLの意見は一致しており、現状維持でよいなどということは断じてありません。

 空から届くかすかな電磁波に目をこらし、耳を澄ませることで得られる感動は、かつてなら誰でも味わえました。その感動を忘れなかった人々が、天文学や電子工学の礎を築いたのです。目先の利益や利便性ばかりを考え、この感動を子供たちから奪うことが、大人である私たちに許されるでしょうか。これ以上負の遺産をのこさないために、私はPLCに反対します。

と言う大変美しい文章での意見が表明されています。

なお、詳しくは上記のリンク先をご覧下さい。

#さすがに、プロの素晴らしい文章ですね。この記事をご覧になったみなさんも、是非日本のアマチュア無線家としてのご意見をパブリックコメントにお寄せください(必読書類として、「ラジオ日経の意見書(PDF)」を推奨致します)。また、当ニュースのこちらの記事も、合わせてご覧頂ければ幸甚です。

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総務省は,10月21日 高速電力線搬送通信と無線利用との共存条件案に係る意見の募集 を発表... [Read More]

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コメント

たびたび取り上げていただいてありがとうございます。今回のパブコメは物書きの意地にかけてアピールしていこうと思っています。

野尻さん、おはようございます。

>たびたび取り上げていただいてありがとうございます。

こちらこそ、勝手に全文引用させて頂きまして、申し訳ありません(汗)

ただ、この野尻さんの文章は、PLCに反対する人間にとっての指標になるのではないかと考えております故ですので、どうぞご容赦下さい。

>今回のパブコメは物書きの意地にかけてアピールしていこうと思っています。

大変心強いです。野尻さんの文章が、総務省の担当官の心を動かす事は間違いないと確信しております。

#私の方でも、多くのアマチュア無線家が反対のパブリックコメントを出せるように、JARL大阪府支部長の田中さんと相談しながら、色々と準備中です。何せ、本店がどうやら当てにならないようですので(苦笑)

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