【スマトラ島沖地震関連】Amateur Radio "Saved Lives" in South Asia
ARRLのサイトのニュースによると、インド洋に面する国々に大被害をもたらした「スマトラ島沖地震」(死者が8万人を越えており、10万人を越える恐れがあると報道されている)の被害によって通信が途絶した地域で、南アジアの多くのアマチュア無線家が人々の命を救うための努力を継続しているそうです。
Radio Society of Sri Lanka (RSSL)のVictor Goonetilleke会長(4S7VK)の報告によると、衛星電話が使用出来なくなったため、スリランカの首相でさえ世界との連絡手段は短波帯のアマチュア無線に頼るしかない状況だったそうです。また、現在の問題は、バッテリーの電力が尽き、さらに再充電するための発電機も無い事だそうです。
現在、タイのバンコクに滞在中のCharly Harpoleさん(K4VUD/HS0ZCW)の報告によると、Harpoleさんは現在14MHz帯でインドとの間の非常通信をサポートしているそうです。Harpoleさんは、地震の当日はアンダマン島のVU4RBI、VU4NROチームを訪問していたそうです。
アンダマン島で非常通信の運用を続けているVU4RBI、VU4NROチームのスポンサーであるインドのNational Institute of Amateur Radio (NIAR)からの報告によると、同チームはインド政府からの要請によりアンダマン島周辺地域の救援/救出活動における連絡手段を提供し続けているそうで、アンダマン島周辺地域においては、アマチュア無線が主な連絡手段になっているそうです。
また、インド本土では多くのアマチュア無線家が非常通信に従事しており、コンディションの低下や電波障害を克服するため、PSK31やCWでの通信が行われているそうです。
Indonesia Amateur Radio Organization(ORARI)の報告によると、ORARIは、インドネシア・アチェ州の自治政府がアマチュア無線の運用を禁止しているため、自治政府にインドネシア人のアマチュア無線家が非常通信を行うための許可を要請しているそうです(アチェ州は、今回の津波によってインドネシアでは最も大きな被害を被った地域です)。さらに、スマトラ島周辺ではVHFのレピーター及び80m帯を使用して連絡を保っている状態だそうで、さらにYB6ZZ乃至YB6ZESがnational emergency netのコントロール局となっており、7.055MHzと21.300MHzを使用しているそうです。
オーストラリアのWireless Institute of Australia(WIA)では、短波帯をモニターして、支援を求めるあらゆる要求を報告するように会員各局に依頼しているそうです。
なお、詳しくは上記のリンク先をご覧下さい。
#また、アマチュア衛星であるAO-51(AO Echo)は、非常通信に対応するため、12月30日の0305(UTC)より9k6 bps store-and-forward PacSat BroadCast Protocol (PBBS) modeに固定されるそうです。AMSAT-NAは、PBBS modeに切り替わった後は、一般のアマチュア無線のメッセージ交換に使用するのは自粛して欲しいとアナウンスしているようです。また、AO-51の各種スケジュールは保留され、予定されていたハイパワーFMリピーターモードへの変更は行われない事にご注意くださいとの事です。
コメント
はじめまして。バンコクからタイの被災状況などを紹介している者です。個人的には無線のこと知りませんが、被災関連のリンクを用意しているので、そちらに加えさせていただきました。問題はございませんか?よろしくお願いします。まもあん
Posted by まもあん at 2005年01月02日 01:28
まもあんさん、明けましておめでとうございます。また、リンクして頂きましたようでありがとうございます。
>問題はございませんか?
問題はありませんが、こちらは被災関係の専門サイトではございませんので、その点お含み置き願えれば幸いです。
Posted by 7J3AOZ(JH3YKV News Editor) at 2005年01月02日 01:47