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2006年11月01日

徳島新聞「自主防災組織にアマ無線開放 徳島大研究会、休眠機提供呼び掛け」

徳島新聞の記事によると、「徳島大学地域防災無線研究会(会長:徳島大学・上野勝利助教授(JK1PHL))」が、研究会のアマチュア無線局を開局し、普段から無線の使い方を練習して災害時に役立てるために、自主防災組織などに無線機を開放するとの事です。

同記事によると、

 アマチュア無線は、話し掛けている最中は相手の話が聞こえないなど、円滑に利用するにはタイミングをつかむこつが必要。研究会は、自主防災組織に所属するアマチュア無線の有資格者に来所を呼び掛け、無線の使い方を練習してもらう。

 ただ、今のところ開放できる無線機は一機しかないため、自宅に眠っている無線機の貸与や提供を呼び掛けている。

との事です。

なお、詳しくは上記のリンク先をご覧下さい。

#同記事の前半部分が誤解を招きやすい表現になっていますが、要するに「徳島大学地域防災無線研究会」で非常時におけるアマチュア無線での交信の仕方を訓練しようと言う趣旨なのではないかと思います。こう言うアプローチは、日本でゲストオペ制度が許可されたので可能になったのだと思いますが、実際の災害時での運用は、ゲストオペ制度での運用は難しい可能性が高い(免許人(社団局の場合は構成員)が必ず横にいなくてはいけない)ので、最終的には、各自主防災組織単位でアマチュア無線局を開局してもらう必要があるでしょうね(但し、防災目的でのアマチュア無線局の開設は、法的には認められないので、この辺も難しい所だと思いますが)。なお、アマチュア局における非常通信に関しては、Wikipediaのこちらの記事が参考になります。

追記:この記事に関して、上野さん(JK1PHL)より補足のコメントを頂きましたので、下記に掲載させて頂きます。

1 無線局を解放: 社団局ですので、ゲストオペではなく、社団員として名簿に登録したうえで、利用していただく事を想定しています。大学関係者だけでなく、自主防災活動やアマチュア無線に関心をお持ちの地域の方々に参加していただき、一緒に無線を楽しみながら防災意識の高揚を計ることを期待しています。

2 通信訓練 :PTTのオペレーションよりもむしろ、各バンドの電波伝搬の特性や、アンテナの製作・調整、あるいは実際の交信の楽しみ方などを知っていただくための訓練を考えています。昔はローカルの方々とのおつきあいの中で、自然とニューカマーの方も上記のような知識を身につけ、そして自分なりの楽しみ方を見つけられたと思います。しかし、最近の状況では、ニューカマーの方を指導されるコミュニティが衰退しているのではないかと思います。なかなかすぐには難しいですが、大学を核にしたコミュニティが形成出来ればと考えています。

1,2を通じてアマチュア無線の趣味としての楽しみを知っていただくとともに、防災の1ツールとしての有用性を認識していただき、できれば自主防災組織や個人で開局していただくことを期待しています。

3 法制上の問題 JR0BAQさんと同様に、私もアマチュア無線による非常通信を、法制上明確に認めるよう、法令の改正を行うべきだと考えています。その方法として、アマチュア業務の定義に、公共通信と教育の文言を付け加えることが、良いのではないかと考えています。他国ではそうなっているからというのは、少々乱暴な論理ですが、米国の法令では、アマチュア業務を非営利公共通信ボランティアと定義し、特に非軍事非常通信を主要な業務と位置づけています。

記者さんには、法改正の必要性をお話したのですが、記事にはなりませんでした。

TNX JK1PHL

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コメント

ハムは,プレストーク(片通話)に慣れていますが,一般の方は,電話のように双方向通話しかできないといっても過言でないでしょう。
慣れれば何でもないのですが,一方的に長しゃべりをされると,返す話がチグハグにならないように,余計な気を使うものです。

ついでに,CW で相手の話を聞きながら,同時に CW で応対ができるようになったら,超々人だろうなぁ。
送受同時双方向 というのは,赤ん坊のときから慣らされているからできるのだろうか。

坂井さん、今晩は。

>一般の方は

そうですね。(所謂)災害時にアマチュア無線家以外の方が、アマチュア無線機による交信を行う事は、考えられない事ではありませんので、特定小電力トランシーバなどを利用して、トランシーバーによる交信を体験して頂くと言うのは良い事かも知れません(実際に、防災イベント時に特小を使用した体験コーナーを開設する所もあるようです)。

>同時に CW で応対

う~ん、そう言う能力をお持ちの方も(多分...例えばコンテスターの方とか)おられるとは思います。でも、普通にCWで平文の交信をされている方でも、私のレベルでは超人ですから(笑)

#音声による会話に関しては、片方向通信の方がある意味特別でしょうから、慣らされているから...と言う訳ではないような気が...。

最近は携帯電話でも同じようなことができるようですが、手軽さという点ではやはり特小が便利ですね。
私も1セット持っていて、ジムカーナの練習会のときなどに使ったりしています。
練習用というだけでなく実際の災害時にも近距離の通信なら特小でも十分役立つと思いますし、使わなくなった特小を集めるというのもよさそうに思いますが、そういう話は聞かないような…。

災害時のために、特小のレピータはいかがでしょうか?
http://coastal.nagaokaut.ac.jp/~ja0zry/tokusho/index.shtml

> 防災目的でのアマチュア無線局の開設は、法的には認められないので

世の中の趨勢として、むしろ法的にきちんと認められたほうがいいと、私は常々思っているのですが...
むしろ、これくらいの目的を持ってこの世界に入っていただきたいと思っています。ただ単に「おもしろいから」だけでは誘い文句にならないんですよねぇ。

宗樂さん、今晩は。

>実際の災害時にも近距離の通信なら特小でも十分役立つ

そうですね。私は、PHSのトランシーバー機能を最近良く使っているのですが、そこそこ飛ぶので驚きました。ただ、市街地では、Km単位の交信は難しいかも知れませんが...

>使わなくなった特小を集める

う~ん、アマチュア無線機と違い、資格も免許もいらないですから、意外と不用品にはならないのかも知れませんね(苦笑)

たらさん、今晩は。

>特小のレピータ

ちゃんと防水ケースに入れて、高い場所に設置すると言うアイデアは良いですよね。防災用に検討に値するんじゃないかと思います。

>むしろ法的にきちんと認められたほうがいい

う~ん、私はアマチュア無線を実用に使う根拠を法的に与えるのはどうかなと思うのですが(例えば、実際に防災目的で開局できるとなると、いつの間にかアマチュア無線=防災...となってしまいかねないかなと(汗))、これはひとそれぞれ考え方があるだろうなと思います。

>むしろ、これくらいの目的を持ってこの世界に入っていただきたいと思っています。

私の義理の父が、従事者免許を取得して、アマチュア無線局も開局しているのですが、あくまでも山登りにおける緊急用と仰ってまして、実際にアマチュア局と交信する気は全く無いようです。

防災に使えますよ...と言うアプローチでアマチュア無線の世界にお誘いしたら、同じような事にならないかなぁ...と言う気も少しするのですが...。

初めまして。徳島大学の上野ともうします。こちらのHPは、折に触れ拝見しておりました。徳島新聞の記事を話題に取り上げて頂き有り難うございました。折角ですので、すこし補足させてください。

1 無線局を解放: 社団局ですので、ゲストオペではなく、社団員として名簿に登録したうえで、利用していただく事を想定しています。大学関係者だけでなく、自主防災活動やアマチュア無線に関心をお持ちの地域の方々に参加していただき、一緒に無線を楽しみながら防災意識の高揚を計ることを期待しています。

2 通信訓練 :PTTのオペレーションよりもむしろ、各バンドの電波伝搬の特性や、アンテナの製作・調整、あるいは実際の交信の楽しみ方などを知っていただくための訓練を考えています。昔はローカルの方々とのおつきあいの中で、自然とニューカマーの方も上記のような知識を身につけ、そして自分なりの楽しみ方を見つけられたと思います。しかし、最近の状況では、ニューカマーの方を指導されるコミュニティが衰退しているのではないかと思います。なかなかすぐには難しいですが、大学を核にしたコミュニティが形成出来ればと考えています。

1,2を通じてアマチュア無線の趣味としての楽しみを知っていただくとともに、防災の1ツールとしての有用性を認識していただき、できれば自主防災組織や個人で開局していただくことを期待しています。

3 法制上の問題 JR0BAQさんと同様に、私もアマチュア無線による非常通信を、法制上明確に認めるよう、法令の改正を行うべきだと考えています。その方法として、アマチュア業務の定義に、公共通信と教育の文言を付け加えることが、良いのではないかと考えています。他国ではそうなっているからというのは、少々乱暴な論理ですが、米国の法令では、アマチュア業務を非営利公共通信ボランティアと定義し、特に非軍事非常通信を主要な業務と位置づけています。

記者さんには、法改正の必要性をお話したのですが、記事にはなりませんでした。

7J3AOZさんのご心配はごもっともですが、米国での事例を考えれば、あまりご心配には及ばないのではないかと思います。

アマチュア無線を趣味として楽しんでいただけなければ、防災無線としても機能しないと思います。また、地域で無線という趣味を通じて、コミュニティが形成されることが、更に防災力を高めることに繋がります。何時起こるか分からない災害に対して、防災意識を長期にわたり保持することは、難しいとおもいます。むしろレクリエーションとして楽しみながら万一に備えるような体勢が有効なのでは無いかと思います。

長々と失礼しました。

上野さん、始めまして。コメントありがとうございます。

徳島新聞の記事だけではわかりずらい部分を補足して頂きましてありがとうございます。

アマチュア無線の活性化にも繋がる、大変素晴らしい取り組みであると言う事が理解できました。上野さんのグループの活動が発展します事を祈念しております。

また、何かこちらのWeblogでお知らせ出来る事がありましたら、情報を頂けますと幸甚です。

今後とも、どうぞ宜しくお願い致します。

7J3AOZさん、こんばんは。私は、無線は長年休止状態で、昨年再開局したばかりの初心者です。まだまだ手探り状態で、実践的なことはなにも出来ていません。いろいろお教えいただけましたら幸いです。こちらこそ、どうぞ宜しくお願いいたします。

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