PLCが来秋にも実用化？
無線通信を壊滅させる恐れがあるとして、世界中の電波利用関係者から強い懸念が示されている技術である「高速電力線通信(PLC/BPL)」ですが、読売新聞のサイトが、総務省の研究会が電線から漏れる電磁波の規制値を設けることで大筋合意し、2006年秋にも実用化される見通しとなったと報じています。
しかし、HF-PLC Watching Siteの記事（及び記事からリンクされている日系BP社ITProの記事）によると、「推進・反対派両者の折り合いつかずに決着」と言う事のようです。
なお、詳しくは上記のリンク先をご覧下さい。
＃「研究会がいつまでたっても決着せず，延々と実用化が先延ばしになるよりはまし」と言うのがメーカー関係者の本音だそうですが、市場にニーズがなく、かつ既存のインフラに著しい影響を与える技術を実用化されても困ります。そもそも諸外国の動向を見ても、PLC/BPLは（トライアルの結果、既存の無線通信に悪影響を与える事がはっきりしたため）ほとんど実用化されていない状況です。無駄な技術開発にリソースを費やすと、株主に損害を与えるだけじゃないかなと思うのですが。
追記：日系BP社ITProに掲載されている日経バイト誌の記事（電力線通信の高速化が来年解禁へ，ノイズ電流量はパソコンと同等）によると、『かねてから静穏な田園地帯の雑音レベルにまで下げることを要求していた日本アマチュア無線連盟によると，「35dB程度のノッチ・フィルタ（特定帯域の通信をカットするフィルタ）をアマチュア無線で使用する帯域に入れてもらえれば，要求している雑音レベルにまで抑えられる値だ」（日本アマチュア無線連盟 電磁環境委員会の芳野赳夫委員長）』と言う事です。
コメント
検索してみましたが、読売新聞の2004年10月5日のこの記事
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/special/47/naruhodo176.htm
で、何も決まっていないにも係わらず、2006年にも実用化とみられる、なんて書いていますからかなり恣意的な記事ですね。
とにかく、パブリックコメントに集中して反対意見を述べて、多くの人が望んでいない、ということを示しましょう。
Posted by JE1CKA 熊谷 at 2005年10月05日 14:52
まいどです。
読売新聞は専門の記者が書いている訳ではないので、内容がちょっとと言うのは、HF-PLC Watching Siteにも出てましたね。
いずれにせよ、パブリックコメントに対するコメントをみんなで出して、利害関係者であるアマチュア無線家の多くは反対している事を示す必要があるのは間違いない情勢だと思います。
Posted by 7J3AOZ(JH3YKV News Editor) at 2005年10月06日 09:52
FTTH（高速電力線搬送通信に関する研究会）では各社賛成反対で折合いがつかず、両輪併記だったようだが、PLCではどうでしょう？こちらも意見集約できないことに期待したいのですが…
電気事業者が通信にまで業務拡大することには違和感を拭いきれないのは「HAM」だけでしょうかねぇ？
Posted by JA1AVH at 2005年10月06日 15:41
入江さん、まいどです。
＞こちらも意見集約できないことに期待したいのですが…
報道されている記事を読む限りでは、結局意見が集約されようがされまいが、とにかくPLCはやるんだよ～んと言う感じに思えます。
＞違和感を拭いきれないのは「HAM」
まあ、最近はどんな企業でも、（所謂）本業以外の儲け話を考えているご時世ですから（苦笑）
ましてや、既存のリソース（何せ、自社の電線がそのまま使える）を活用できるPLCは、電気事業者にはものすごい儲け話に見えるんじゃ無いでしょうか。
＃実際は、色々な障害が発生する事が予想されますので、儲けを対策費が上回るような気がするんですけどね（苦笑）
Posted by 7J3AOZ(JH3YKV News Editor) at 2005年10月07日 11:01