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2005年10月13日

北米におけるD-STAR

日本ではなかなかユーザーが増加しない、JARLが推進しているアマチュア無線用デジタル通信規格であるD-STARシステムですが、北米ではすでに普及段階に入って来ているようです。

カナダ・ビクトリア州ブリティッシュコロンビア州ビクトリアのWestcoast Amateur Radio Associationでは、High Speed Data Radio project 2005と言う、ICOMのID-1を使用したデジタルデータ通信による、非常・緊急時データ通信ネットワークの構築プロジェクトを行っているそうです。

このシステムは、災害発生時の「health & welfare messages」を、事前に構築したデジタルデータネットワークを使用して、緊急時に設置される拠点からノートPCなどを利用して送受出来るシステムの構築を目指していると言う事だそうで、計画は、

Phase 1: test radios "on the bench" for performance and setups
Phase 2: ordered ID1 radios, antennas, and Heliax.
Phase 3: Install equipment at sites.
Phase 4: Repeater ID1 Equipment on the air April 24, 2005
Phase 5: Added 2.4 High speed internet link to VE7VIC site. August 2005.
Phase 6: Add Digital Voice and Digital Voice ICOM Repeaters ID-RP1V and D to system.

と言う段階で進められているそうです。

詳しくは上記のリンク先をご覧下さい。

ICOM AmericaのD-STAR Forumでも、D-STARに関する活発な議論がされているようです(Forumの内容を読むには登録が必要です)。D-STAR規格の発信元の日本では、政治的もしくは技術論的な議論ばかりなのが残念な所ですが、北米のアマチュアは「すでに使える物は、どんどん使おう」と言うスタンスのようですね。

追記:幸田さん(JL3OXR)さんから、『記事にある「ビクトリア州」は正しくはブリティッシュコロンビア州ビクトリアです。』とご指摘を受けました。ご指摘ありがとうございます。早速記事を訂正させて頂きました。

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コメント

D-Starは最近QST誌でも数ページの広告が載っていたりします。

一般のアマチュアの反応としては・・・・・・個人レベルでは話題に上ることもあまりないシステムであるというのが現場です。(それよりもEcholinkのようにVoIPが果たして無線なのか、そうじゃないのか、という議論の方がよほど白熱している感じがあります。Hi)

ただ、災害時のインフラとして普段よりARESなどの活動が行われており、また、第三者通信が可能であり、National Traffic Systemと呼ばれる全米のメッセージネットワークなどがありますからそういった意味では趣味としてのアマチュア以外に「公共サービス業務」としてのアマチュア無線という土壌がありますのでそういった意味ではある程度の需要が見込めるかもしれません。(D-Starではないようですが、詳しい人にNational Traffic Systemの基幹部分に高速のアマチュアデジタルが使われているという話を聞いたことがあります。)

斉藤さん、まいどです。お久しぶりですね(笑)

>個人レベルでは話題に上ることもあまりない

まあ、そもそもデジタル通信自体が、まだまだアマチュア無線界ではマイナーですので、一般的にはあまり話題にはならないのかも知れませんね(笑)

ただ、アメリカの都会って、かなりレピーターの周波数が混み合っていると聞いていますので、帯域が狭いデジタル音声通信に関する興味はあるのかなと思ってますが、この辺どうでしょうか?

#日本の場合は、違法局(これはアマチュア無線の免許を持っていても、違法に運用している人も含みます)にV/UHF帯が占拠されている状態に対する対抗策と言う意味合いで注目されていたりするのが、やや情けない話ですが(笑)

>災害時のインフラとして

QRZ.COMでも、非常通信におけるデジタル通信に関する議論が行われている見たいですね(ただ、方式として何が良いのかと言う所で、泥試合になってしまっているのは、日本と似たような感じですけど(笑))

#あ、ところで余談ですけど、私も先日US-Generalを取得しました(斉藤さんはすでにExtraでしたっけ?)

お久しぶりです。最近ちょっと仕事とか忙しくて無線もあまりできない状況です。(涙)

レピーターの周波数に関してはかなり混み合ってはいるんですが、144、430とともにかなりの範囲が確保されているのと、周波数のコーディネーションで時々衝突があるときはあるようですがほとんどの場合はうまく運用できているようです。
実際のところ、デジタル音声通信に変えた場合に現在のFMでの運用性(大抵みんなHTを持っているという、いわゆるユビキタス性ですね)などを考えるとどうなのかなぁ、という感じですね。(144/430対応のD-star機も発売されていますがやはり高いですし、選択肢も限られたものになっています。)

D-Starに関しては実用的な話以外にも、事実上の一社独占状態になってしまう感情的な部分も大きいのではないかと思います。

>斉藤さんはすでにExtraでしたっけ?)

いえ、まだGeneralです・・・・・・。そろそろ試験に向けて本格的に勉強しなきゃなーと思う今日この頃です。

まいどです。

>無線もあまりできない状況です。

あらあら(汗)
お体に留意してがんばって下さいね。

>現在のFMでの運用性

まあ、確かに周波数の問題さえなければ、積極的にDVに費用をかけて移行する必要性もないですから(実験としてはともかく)、あまり話題にのぼらないのもむべなるかなですね。

ただ、日本のD-STARがらみの掲示板に比べると、記事でご紹介したICOMのD-STARフォーラムではかなり活発な議論がされていますので、やはり北米の方が日本よりは興味を持っている方が多いのかなと感じました。

>事実上の一社独占状態になってしまう

QRZ.COMのフォーラムでも、その辺が問題視されているようですね。実はこの記事を書いたのは、うちのニュースに米国のフォーラムからのアクセスがありましたので、何だろうと思ったのがきっかけだったのですが、それは今年のハムフェアで発表されたKENWOODのD-STARリグに関する記事でした。

ただ、D-STARは仕様自体は公開されていますので(もちろん、ICOMの実装が公開されている訳じゃありませんが)、それなりの市場になれば各社も参入して来ると思います。

#実際に、JARLの次世代通信委員会の会議には、メーカー各社から人員が派遣されていると、次世代通信委員の水島さん(JA3VAP)から聞いています。

>そろそろ試験に向けて本格的に勉強しなきゃなーと思う今日この頃です。

私は現在、12月の岡山VECの試験を受けようかどうか考え中です。でもExtraのクエッションプールって分厚いんだよなぁ(汗)

#ところで、斉藤さんのWeblogなんですが、相変わらずIEでは表示されません(汗)

おひさしぶりです。(っておぼえてます?HI)

記事にある「ビクトリア州」は正しくはブリティッシュコロンビア州ビクトリアです。
っていうか、今、バンクーバにいます。
え?15日がミーティングなんですか。えーっと、仕事が…。HI
West Coastってことはバンクーバ島の太平洋岸で、なかなかすごいところと聞いてます。
やはり有線のインフラに頼らないネットワークづくりは切実な問題なんだと思います。
それに、このへんってHigh Speed Packetの実験してる人、多いですね。
IRLPとかもブリティッシュコロンビア大学のアマチュア無線部が開発やってるみたいですし。

幸田さん、おはようございます。コメントありがとうございます。

>っておぼえてます?HI

うう、顔とコールサインと名前が一致しない程度には覚えてません(汗)。出来ればヒントを頂けると(大汗)。

>やはり有線のインフラに頼らないネットワークづくりは切実な問題なんだと思います。

そうですね。日本に住んでいると忘れがちな事ですが、国土が広い国におけるネットワーク作りと言うのは、非常にコスト面が厳しい訳で、だから無線関係に注目が集まるのだと思います。

もっとも、この記事での事例は、あくまでも非常時における通信手段(有線が切断された場合を想定)だろうと思います。

いじわるな登場ですみませんです。HI
むか~しeQSOで池田クラブの部屋にバンクーバからお邪魔したりしてました。

以前、TAPRのMLにWの国土安全省かなんかでHFの高速デジタル通信を研究するとかって話が出てましたが、なかなか発想がすごいと思いました。
V/Uだとどうしてもpoint to pointになりますしね。
まぁ、いろんな可能性を探りながらD-STARも可能性の一つとして受け入れられるんでしょうか。

おはようございます。

>むか~しeQSO

わあ、思い出しました(笑)
いや~、ものすごくご無沙汰ですよね。

>HFの高速デジタル通信

いや、そう言う方向性もアマチュア無線であっても良いと思うんですよ。アメリカでは、HF帯を使ったパケット通信による電子メールシステムも、実際に稼動してますよね(災害時にも大変役に立っているそうです)。

どうも、日本のアマチュアは「パケットなんてもう流行ってない」とか「なんでHFでデジタルなんかいるの?」とか、すぐに何でも否定論に走っちゃいますが、思いついた事をすぐ形にして試して見る事が出来るのが、アマチュア無線の良いところだと思っています。

>D-STARも可能性の一つ

全くその通りで、D-STARも可能性の一つに過ぎないんですよね。ただ、D-STARの有利な点は、見かけ上のインターフェースが大変とっつき易いので(何せ、普通のFMのリグと同じ)、ややこしい事を知らなくてもすぐ使える点だと思っています。

実は、これは普及させるには大変重要な点で、「技術を知らなければ通信できない」では、有効な応用(アプリケーション)は生まれて来ないと思っています。

#良く「アマチュア無線通信士」などと揶揄する方がおられますが(私は、「いや私がそうですけど」と答えます(笑))、コンピュータの技術的な事がわからなくても、有用な応用を考え出す方は沢山おられるように、アマチュア無線もどんどん色々な応用を考え付いて、それを実験して行くと言うノリになって行くと良いなぁと考えています。

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