Japan BPL - At the War Front
RAC(Radio Amateurs of Canada)のThe Canadian Amateur Radio Bulletinに、日本におけるBPL(broadband over power line)の記事が掲載されています。
VK2のRoger Harrisonさんが語る所によると、 日本で行われた測定によって、BPLシステムは300MHzを越える周波数帯に関しても深刻な電波障害が発生する事が明らかになったそうです。
BPLシステムは、一般的には2MHzから30MHz(一部のシステムでは80MHz)までの広帯域な電波障害を引き起こす恐れがあるとして、世界中の短波帯関係者(アマチュア無線家や業務関係者)から導入を強く反対されていますが、今回の測定では310MHzと340MHzにもスプリアスが発生している事が確認されたそうで、送電線から35mの距離ではローカルノイズより10dB以上の強度、 55mでは7-8dBの強度のスプリアスが発生しているそうです。
この事により、BPLは短波帯のみならずVHF/UHF帯の各種の業務用通信(地上、航空、海上)にも妨害を与える恐れがある事が実証されたようです。
なお、詳しくはこちら(PDFです)の報告書をご覧下さいと言う事です。
#BPLは、電力線を利用してインターネットへのブロードバンド接続を行うと言うシステムですが、電力線はもともとデータを搬送するように製作されていないので(シールドがない)、BPLで使用される広帯域の周波数帯にスプリアスを撒き散らす可能性が高いと言われています(実際に各種の実験で証明されています)。また、すでに米国等々では導入が開始されてしまっているようですが、日本では最終的には光通信による接続がされる可能性が高いため、BPLの導入は無意味だと言う結論が出ています(もちろん、電力会社各社は、あの手この手で導入を認めさせようと政府に働きかけていますが)。